Bluebello流 コーディネート術 How to Cordinate
理想の装いを完成させる
Blubelloの美学と哲学
ファッションには「絶対」に結びつく方程式がありません。しかし、カッコよく見せる方法やお洒落に見せるテクニックは存在します。ここではBlubelloの美学と哲学に基づく、着こなしのノウハウについてご紹介いたします。
1.色の組み合わせ
コーディネートを考える上で、まず大切にしておきたい事が色の組み合わせです。スーツやジャケットスタイルはアイテム数が限られている分、配色には特に気を使いたいところです。
まず、取り入れる色味は3色以内に抑えることが基本です。ただし色合わせには正解が存在しないため、どの色がどんな役割やイメージを持っているのかを把握しておくと、その日の気分やシチュエーションに合わせたコーディネートが作りやすくなるでしょう。反対に、色使いが多くなればなるほど難易度はアップし、着こなすことが難しくなりがちなので注意が必要です。
この図はネイビースーツおよびネイビージャケットを基軸とした時、各アイテムとの相性が良い色の組み合わせを表しています。
イタリア人がこぞって好み、鉄板カラーとも呼ばれる「紺×茶(アズーロ・エ・マローネ)」、誠実さをアピールできる「紺×白×青」など、ほんの一例にしか過ぎませんが、3色を使い分けることでお洒落に見え、バランスの整った姿を作り上げてくれます。
さらにネイビースーツは、どのような色とも比較的相性が良く、コーディネート次第で様々なシーンに対応してくれます。ネイビースーツはこのような理由からも、高い支持を獲得し、今尚愛され続けているのではないでしょうか。ドレススタイルであれば、まずは「3色使い」をぜひ覚えておきましょう。
2.柄の組み合わせ
スーツやジャケットには様々な柄が存在します。色と同様に、柄をどのように取り入れるかによっても相手に与えるイメージは変化し、ドレッシーやカジュアルといった着用シチュエーションにおいても大きな関わりを持っています。
そこで参考までに、下記のような表を作りました。
カジュアル/華やか | ||
3柄 | ブランドのコレクションの様な華やかな装い | |
---|---|---|
2.5柄 | 個性的で独特な雰囲気を醸し出す | |
2柄 | 相手に強いインパクトを与えたいとき | |
1.5柄 | 端正な雰囲気の中にも、艶気を出す | |
1柄 | シンプルでありながらも個性をアピールしたい時 | |
0.5柄 | 一見0柄同様落ち着いた印象を与えるが見る距離によっては1柄同様 | |
0柄 | 誠実で落ち着いた印象(各アイテムの質の高さ、サイズ感、ディテールの拘りが最も求められる) | |
ドレッシー/落ち着き |
0柄 | 無地 |
---|---|
0.5柄 | 織り柄、同色柄(ヘリンボーン、シャドーチェックなど) |
1柄 | 柄(ストライプ、チェック、小紋など) |
上記の図は取り入れる柄の割合によって、どのような印象を与えるかを表しています。
無地を0柄、織り柄や同系色柄を0.5柄、ストライプなどはっきりと見える柄を1柄としてカウントします。
柄が増えれば増えるほど華やかでカジュアル寄りの装いとなり、反対に柄を減らせば減らすほど、落ち着きのあるドレッシーな着こなしを作ります。昨今のビジネスシーンであれば、1.5柄にまとめると急な来店があっても対応できる程よい華やかさがあり、誠実な印象をもアピールできるため好印象を掴みやすいと言われています。着用シーンを踏まえ、上記の図を参考にコーディネートしてみてはいかがでしょうか。
3.素材の組み合わせ
色・柄の次は、意外と陥りやすい柄の組み合わせです。四季があり、気候が変化する日本では、季節に応じてその装いを替えてきました。季節感を捉えた装いとは、ファッションとしてはもちろん、あらゆる洋服を着用する上で最も基礎となる部分です。たとえ感度の高いアイテムであっても、春夏の季節に冬物の素材を着ていては価値が半減してしまいます。
スーツ | シャツ | ネクタイ | |
---|---|---|---|
基本 | ウール100 | コットン100 | シルク100 |
春夏 | ウール100 | コットン100 | ニットタイ |
梅春 | ウール100 | ウール100 | シルク100 |
盛夏 | リネン紺、コットン、モヘア | リネン100、ハイゲージコットン | ニットタイ、リネン混 |
秋冬 | ウール100 | コットン100 | ウール100 |
真冬 | カシミア混、フランネル | ローゲージコットン | ウールタイ、カシミア混 |
上記の図は、スーツ・シャツ・ネクタイで季節に適した素材使いを表しています。
一部例外はあるものの、同素材同士の組み合わせは統一感が生まれ、小慣れた雰囲気にまとまりやすい性質にあります。
「基本」としてご紹介している組み合わせは、ビジネスシーンで自然とコーディネートしている事が多いのではないでしょうか。Blubelloではこの「基本」を踏まえた上で、春夏ならネクタイをニットやリネン混に、秋冬であれば起毛感のあるフランネルジャケットやウールタイをおすすめしています。反対に夏仕様のサマースーツに、カシミア素材のネクタイを合わせることは季節感が異なるためコーディネートしにくいということも覚えておきましょう(サマーカシミアを除く)。季節に応じたアイテムを取り入れることができれば、コーディネートの幅がぐっと広がり、やがて来るマンネリ化をも打破することができるでしょう。
4.国別のデザインについて
服装はその国の文化や嗜好、国民性が顕著に現れると言われています。それはドレススタイルでもカジュアルスタイルであっても同様です。ここでは4つの国を挙げ、それぞれのスタイルを象徴するスーツデザインとアイテムをご紹介いたします。
スーツ、ジャケット | ヘビーオンスの生地でややゆったり目の3Pスーツ |
---|---|
シャツ | クレリック |
ネクタイ | やや太めのレジメンタイ(右上がり) |
靴 | 黒靴、コンビシューズ |
スーツ、ジャケット | 艶感と柔らかさのある生地でやや細めのスーツ |
---|---|
シャツ | ワイドカラー |
ネクタイ | セッテピエゲ |
靴 | ダブルモンク |
スーツ、ジャケット | 段返り3釦フックベント、絞り甘い |
---|---|
シャツ | ボタンダウン |
ネクタイ | レジメンタイ(右下がり) |
靴 | コインローファー |
スーツ、ジャケット | 色彩豊かなミックステイスト、フィッシュマウスラペル |
---|---|
シャツ | これといった決まりはなく美しい組み合わせを心がける |
ネクタイ | 芸術性に富んだ柄 |
靴 | 黒靴、コンビシューズ |
コシのある生地で創るゆったりとしたブリティッシュスーツ、ツヤ感のある生地を柔らかく仕立てるイタリアンスーツ、I型と呼ばれるウェストの絞りが少ないアメリカントラッド、中性的な色柄が特徴のフレンチスーツ。
国ごと各々に個性があるため、好みのスタイルを見つける一つの手がかりになるかと思います。昨今では国別テイストを越えたミックススタイルが最新トレンドとして存在し、主流になりつつあります。しかしながら、上記を知らずして真のミックススタイルを体現することはできません。これらを踏まえながらその時折の流れを捉え、自身のスタイルを確立してください。
5.サイズ(シルエット)について
まずはこちらの画像をご覧ください。
この2枚の写真は同一人物による着用スタイルですが、サイズ感の違いによって見栄えが大きく異なります。スーツをはじめとするドレススタイルのサイズ感は、これまでご紹介してきた1~4以上に重要な役割を担っています。
単に「身体にピッタリだから」、「人気の細身シルエットだから」という理由で選ぶのでは大きな間違いを冒しているかもしれません。着用する私たちは、体つきや顔つき、肌の色や髪の色、などの理由によって似合うアイテムがそれぞれに異なります。特に、スーツにおいてはそれが顕著に現れるのです。
例えば、小柄な体型の方が細身のピッタリとしたスーツを着用した場合、たとえ着用感が良くとも、より一層小柄な体型を強調してしまうため貧弱に見えてしまいます。これでは相手に与える印象に期待するどころか、せっかくのチャンスを逃してしまいます。
この場合は、ある程度のゆとりを持たせたシルエットが適切なサイズ感であり、私たちにとってもこれらをしっかりと見極めることが重要なポイントとなっています。そうした上で、初めてトレンドを取り入れることが可能になるのです。
サイズ感は時代にとらわれず、本質を見抜くとも言われます。
スーツをご購入される際には流行や好みのシルエットだけで選ぶのではなく、自分の体型を踏まえ、適切なサイズ感を最重要視してオーダーしてみてはいかがでしょうか。